間人ガニの産地偽装問題について

間人ガニの産地偽装の事件について、今般多くのメディアで報道されています。
当店はこの事件に関して一切の関わりはなく、個人的な付き合いもございません。創業以降、誓って不正を働いたことはございません。お客様に対して、これまでもこれからも真摯に向き合っています。

以下私個人の見解です。

はっきり言って遺憾と言う言葉がこれほど当てはまることありません。怒りと悲しみの感情でいっぱいです。

私はこの業界に足を踏み入れて5年目。
たくさんの魚に触れてきて、たくさん勉強して、技術を磨き、お客様にとても鍛えていただいて今がございます。
(まだまだ成長過程ではありますが..)
そんな中で間人ガニを扱うことにはすごくプレッシャーがあります。魚と1桁2桁も単価が違う上、個体差が激しく、扱いも難しいからです。
この地でこの商売を志す上で、間人ガニをモノにすることの重要性は、始める前から分かっていました。

色々な失敗や成功を重ねて、少しずつカニというものも分かってきました。
少しでもお得に、そしてお値段以上に美味しくて美しいカニを目指してずっとやってきました。

私どもは個人商売で且つ、販売店舗もなく、知名度もありません。今はまだ小さいけれど、これからたくさんわたしの手掛ける、美味しい間人ガニや魚を販売していきたいという気持ちでやっています。

今回の間人ガニの産地偽装は、間人ガニを信頼している全ての皆様に対して裏切り、欺く、本当に卑劣な事件です。
漁師さん、旅館、飲食店、魚屋、そして何よりお客様に対して申し訳ない気持ちです。
町ぐるみの偽装だと誇張した報道がありますが、嘘です。

一部の方の証言だけであたかも真実のように報道した関西テレビおかしいです。BPOにも意見しました。

自分達の私利私欲のために、この町の財産である間人ガニのブランドを低下させてしまうことを気付けなかったのだろうか。
間人の人たちは本当に間人ガニにプライドを持っています。1番の誇りですから。

そして、今回偽装に使われた津居山ガニですが、報道では値段やランクがすごく劣るように言われていますが、決してそんなことはありません。
私はこの家業を継ぐ前、城崎の鮮魚店で修行させてもらい、毎日津居山の競りと津居山ガニを見てきました。
間人と同様に、漁師さんや仲買の方々はプライドを持って扱われていました。カニの品質もすごく良いです。

間人は船の規模が小さく、船の数が少ないので、水揚げされるカニが少ないので希少性から幻のカニと言われています。
津居山は船の規模が大きくら船の数が多いため、比較すると安定した水揚げがあります。

漁場の違いで、生息場所や海底環境も違いますから、同じということはないと思いますが、私は高級食材を買う時、味だけでは測れないものがあると思います。

自分の好きになった土地であったり、生まれ育った場所、またはそこの人々の感じが良かっただとか、空気や自然に憧れる、など、さまざまな、好きになる背景とかがあって、より美味しく感じられるというか。
扱う物流過程や、加工するお店によっても、違いは生まれます。
味だけではないところ、値段だけで比較するのではなく、自分の目で見て舌で感じて五感で向き合ってみてください。

私なんかが何を言ってるか自分でもよくわかりませんが、ネット上で辛辣な意見もたくさん見かけるので、なんとかブランドを落として欲しくない思いです。

本当に美味しいので。
これからも未来永劫続く産業であるように、小さな商売ですが尽力していきます。

#間人ガニ
#間人蟹
#丸友鮮魚

Picture of 丸友 鮮魚

丸友 鮮魚

地元のお客様への販売が主体の行商の鮮魚店を営む当店は、曾祖母の代から創業約60年。 間人漁港の仲買人として、競りに立ち、自ら魚を目利きし買い付け、新鮮なままお客様の元へ。 ネットの力を借りて、全国の皆さんと共有し、美味しいわたしのつくった魚をぜひ召し上がっていただきたいです。

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