10月なのに時化が続いております かなり苦しいです

9月から日本海沿岸は底引き網漁が解禁しており、間人漁港の底引き網船においてはニギス・ボタンエビ・カレイ・スルメイカをメインに水揚げが行われています。

例年ではニギスが中心でしたが、あまり高値がつかないという理由から目的を変え、ボタンエビ主体になってきました。当店でも大人気の「モサエビ」も水揚げがめっきり少ないです。

大きなボタンエビは1匹100g以上あり、価値が高く、1匹数千円以上で取引されます。

※先日私が買い付けたサイズで30~40g程です。

体感ですがニギスは例年の5分の1くらいに思えます。

そのためスーパーに出回るような小さいサイズはともかく、当店が例年買い受けておりました1匹80~100g程の大きなサイズのニギスはほぼ姿を現さず、希少なため例年より高値で取引されております。

何はともあれ海が時化でかれこれ底引き網は1週間以上出漁しておりません。

10月においては異例のことで前代未聞です。

地球温暖化やさまざまなことが要因で海底環境も変化していますが、気候変動は著しいです。

魚が獲れていないと、「魚屋さん、商売大丈夫なの?」って言われるとまさにその通りです。

売るものがないと売り上げもついてこないですから正直かなり厳しいところです。

(※よほど海が荒れない限りは定置網漁での水揚げはあるので、定置網漁で獲れる魚(アジ・サワラ系統 アオリイカ等)や干物などで営業をしています。)

昨今に至っては、売るものがあってもお客様がついてこないのでさらに厳しいところではあります。

激安スーパーの顧客の争奪戦による単価の低下、大型スーパーの顧客囲い込み、日本人の魚離れ、魚の水揚げの減少・高級魚の高騰、生活インフラの高騰、様々な要因で私どもの様な個人店はかなり苦戦を強いられているのが現状です。

私としては美味しい魚介類を買い付け、ご用意し販売していきたいので今のクオリティを下げたくありません。安売り合戦に参加すると破滅への道ですからね…

美味しい魚は仕入れ値も高いです。私が商売を始めた5~6年前より倍以上になっているものもザラです。正直、仕入れ値が倍になっても販売価格は据え置きです。これ以上だと誰も買ってもらえないからです。そして間人漁港だけでは美味しい魚は集まらないので週に2・3回は車で1時間かけ、アジ・甘鯛・京のどぐろのような魚を求め買い付けに行っていますし、舞鶴漁港などからも仕入れています。受け身では美味しい魚は手に入りません。

いつか景気が良くなって、皆様が美味しい魚が食べたいと、多くの人からの需要があるその日まで…何とか耐え忍んでいきたいと思います…。

天気のよさと時化はあまり関係なく、潮の高さ・速さ・風の向き・風速・月などの要因が絡み複雑です

まずはこの時化よ、どうか収まって、お客様のご注文の期待に添えるようにお手配していきたいです。

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丸友 鮮魚

地元のお客様への販売が主体の行商の鮮魚店を営む当店は、曾祖母の代から創業約60年。 間人漁港の仲買人として、競りに立ち、自ら魚を目利きし買い付け、新鮮なままお客様の元へ。 ネットの力を借りて、全国の皆さんと共有し、美味しいわたしのつくった魚をぜひ召し上がっていただきたいです。

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